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ウェブビジネスの成功要件

あらゆる商品やサービスに満ち溢れた現代、消費者のニーズは多様化・細分化してきています。 例えば、 車がなかった時代には、どんな形の車であっても走れば売れたでしょうが、今は個々人のニーズを反映したものでないと売れません。量ではなく質が問われるようになっているのです。 またインターネットによる情報流通革命は、旧来のメディア価値の低下と消費者パワーの増大をもたらし、 消費者は企業の広告よりもmixiやブログなど第三者の口コミ情報を信頼し、これをベースに意思決定を行う ようになっています。 これにより突飛なクリエイティブ勝負の広告など、中身の伴わない一方的な企業の広告や販売促進活動は、意味をなさなくなってきています。広告や販売促進活動よりも、顧客のニーズを満たすサービスや、製品 そのものの品質がより重要になるのです。 このような市場変化により、企業は生き残りを掛けて、今まで過剰なまでに支出してきた広告費・販売促進費を、本質的な価値の創出、本質的な顧客経験の醸成に使うようになってきています。 ユーザビリティの根本的な思想と、ビジネス成否の土台は、どちらも「ユーザニーズを満たす」という点において一致していることがお分かり頂けると思います。 あとは、徹底したユーザ調査によって明らかとなったユーザニーズと、企業の強みや提供価値をウェブサイト上で結びつける作業を行うのです。これはサイトで提供するサービス・商品の見せ方を変えるだけで済むこともありますし、根本的に提供するサービス・商品内容をウェブユーザに合わせて修正することもあります。 このように、ユーザの視点を前提としてユーザと企業の利害関係を調整し、ウェブ上でのユーザとのコミュニケーションを設計して、さらにその思想を確実に画面に反映することで、ウェブサイトは「パンフレット」を脱却して、「ビジネスツール」へと生まれ変わります。もちろん、リニューアル後にはサイト経由の売上げの向上、見込み顧客の獲得数向上など、目に見える変化が現れます。 この一連の作業を方法論として定義したのものが「ユーザ中心設計手法」であり、これらを包括する概念が「ユーザビリティ」なのです。ユーザビリティは表面的なサイトの作りを指し示すものではなく、「誰のための何のサイトなのか」という、より根本的な問いを投げかけるものなのです。

ユーザ中心設計手法とは・・・

インターネットの重要性が高まるにつれ、ウェブサイトを見込み客の顧客化や、新規客の獲得など顧客との関係をより身近にさせるツールとして位置づける企業が増えています。 これまでのウエブサイトは単なる自社の告知媒体としていたのが、その役割を大きく超え、顧客、つまりユーザーを意識したものとなっているといえます。ユーザーにとって、いつでも見たいときに訪れられるウエブという存在はいまやなくてはならない存在となってきています。 このような変化に伴い、既存のサイトをリニューアルして、ウェブサイトでビジネス成果を追求する動きが高まっています。その際に威力を発揮するのが、「ユーザビリティ」という概念であり、「ユーザ中心設計手法」という方法論です。 もともと、ユーザビリティとはISO 9241-11の定義において、 「特定の利用状況において、特定のユーザによって、ある製品が指定された目標を達成するために用いられる際の、有効さ、効率、ユーザの満足度の度合い」とされています。 ウェブの世界でも、ユーザの立場に立ち、ウエブを使用する目的、状況を考え、ウェブのあるべき姿を導出し、ユーザビリティを高めることが大切になってくるかと思われます。 一方で、ウェブ・ユーザビリティの権威であるヤコブ・ニールセンが自身の著書『ユーザビリティエンジニアリング原論』の中で、「ユーザビリティの定義を、ユーザが望む機能をシステムが十分満たしているかどうか、といった事柄はユーティリティ(実用性)に含まれる内容である。そしてユーザビリティは、その機能をユーザがどれくらい便利に使えるかという意味であり、ユーティリティとは区別するもの」としてとらえています。 これに対してISO 13407では、ニールセンがユーティリティと定義した内容も、ユーザビリティに含んでいる。つまりニールセンが定義するユーザビリティとは、ISO 13407が定義するユーザビリティに内包される形となる。 ニールセンは、そのようにISO 13407よりも限定的な意味で定義した上で、インタフェースのユーザビリティとは、5つのユーザビリティ特性からなる多角的な構成要素を持つとしている。 学習しやすさ: システムは、ユーザがそれを使ってすぐ作業を始められるよう、簡単に学習できるようにしなければならない。 効率性: システムは、一度ユーザがそれについて学習すれば、後は高い生産性を上げられるよう、効率的な使用を可能にすべきである。 記憶しやすさ: システムは、不定期利用のユーザがしばらく使わなくても、再び使うときに覚え直さないで使えるよう、覚えやすくしなければならない。 エラー: システムはエラー発生率を低くし、ユーザがシステム使用中にエラーを起こしにくく、もしエラーが発生しても簡単に回復できるようにしなければならない。また、致命的なエラーが起こってはいけない。 主観的満足度: システムは、ユーザが個人的に満足できるよう、また好きになるよう楽しく利用できるようにしなければならない。 サイトの有無ではなく、サイトそのものの価値が問われる時代、そしてインターネットの登場によって情報流通革命が起こり消費者のパワーが強大化する時代において、「ユーザビリティ」という概念は今後インターネット社会を牽引する極めて重要な価値観となるでしょう。つまり、ユーザーを想像し、そのユーザー中心設計のできているウエブが今後益々重要視されていくことでしょう。