リーンスタートアップより3倍お得な新規事業立ち上げ㊙レシピ

新規事業はやってみないと判らない部分が多分にあります。今回は新規事業をそれなりの確率で当てる、少なくとも大きく空振りしお金をムダにしない方法をお伝えさせて頂きます。

ここで言う新規事業とは特にスタートアップや新規Webサービスが該当します。そう、頭のなかに漠然としたビジネスアイデアがあってそれを事業化してみたいとそう思っているあなたにピッタリです。それ以外にも企業サイトを運営されているからで検索エンジンからの集客を増やしたいと思っておられる方々にも有効な方法です。インバウンドマーケティングが益々重要となってきていますので、皆様SEOやSEM等Webマーケティングの必要性を感じておられるのではないでしょうか?

それでは始めます。

大抵の事業は顧客ニーズの仮説を起点に、そこにどんなサービス、商品を投入すれば上手くいくだろうか?と考えます。そして「こんな素晴らしいサービスです」というメッセージを用意し、システムを開発をするわけです。多少文言や順番は違えど大体この流れでプロジェクトは進んでいきます。

事業アイデア→顧客ニーズの仮定→ビジネスモデル構築→メッセージ作成→システム要件定義→システム開発→テスト→公開→PRマーケティング(集客)

弊社で開発させて頂く案件もこの流れに沿って短いもので3ヶ月、長いものになると1年の開発期間を要します。費用もそれなりに掛かります。サイト公開に向け来る日も来る日もテストや機能改善を繰り返します。そして、満を持してサイト公開、サービスのリリースとなるのですが、何の集客準備(仕込み)もしていないケースでは当然アクセスが集まりません。それが、どんなに高い志を持ったいいアイデアで、システム開発にも時間とお金を掛けていても閑古鳥が鳴くことになるわけです。おそらく、Webサービスをリリースされた経験のある方にはピンとくる情景だと思います。

あれっ、こんなハズじゃ・・・

とこうなるのです。恥ずかしながら私自身にもこういう体験は何度かあります。

最悪の場合そこでその事業には死亡宣告が下されます。そういった即死を避けるために考案されたのがリーンスタートアップという概念と手法です。リーンスタートアップが説くように必要最低限の機能を備えた製品 – MVP(minimum viable product)を作り、様子を見ながら何度も事業転換 – ピボット(Pivot)を重ねて顧客ニーズを発見し、ビジネスの精度を高めていくという方法。これがリーンスタートアップのスタイルです。

イメージ的には当たるまで軌道を調整しながら何発もミサイルを撃つようなそんな感じです。まあ、それはそれでやむを得ない部分があるのですが、ピボットのタイミング、つまり「これじゃダメだな・・・次どうしよう」という判断を下して実行に移すには短くても3ヶ月、長い場合は1年とか数年の時間とお金が無駄になります。スタートアップが潰れる理由は、「思った以上にニーズが無かった」とか、「ユーザーが集まらなかった」とか、「資金がショートした」とか、「競争に負けた」というものです。ここでは説明を省かせていただきますがリーンスタートアップにせよ、それとよく比較されるアジャイルにせよ、開発に投入した金額やエネルギーが大きければ大きいほどその負け戦からの撤退は難しくなり、更に傷口を広げます。まるでギャンブルですね。

【参考】2015年に終了した30のスタートアップとその失敗理由
http://blog.btrax.com/jp/2015/12/24/fail2015/

さて、リーンスタートアップより更にいい方法は無いのでしょうか?これら顧客ニーズの把握や時間と金のムダを最小限にするいい方法はあるのでしょうか?

ハイッ、あります!

それが、オウンドメディアによるコンテンツマーケティングを起点に事業を始める名付けて「ブログ・スタートアップ®」です。簡単に言えば、システム開発をする前に、集客をしておくという方法です。具体的には取り敢えずターゲットとしている市場に対して事業化したい領域のブログ記事を書きまくること。

例えば、将来冒険や体験をテーマにした旅行サイトを運営しそれをプラットホームにしたビジネスモデルを構想されている場合、通常そのサイトを立ち上げるためには、あらゆる地域を網羅し、カテゴリー等を考え、各地で冒険旅行のガイドができる人を集め、予約決済機能やコメント機能、お知らせ機能や、検索機能まで実に多くの機能を実装させる必要がどうしても出てきます。頑張ってそれを作り上げても次はリスクとしての集客という難題が待ち構えています。その前にβ版ラウンチとかα版ラウンチとかある程度の結果が出るまでに1年ぐらいはかかるかもしれません。そして、大抵の場合はよりインパクトのあるもの完成度の高いものを出そうとしますから公開延長は日常茶飯時になるのです。派手なPRにお金をばら撒けば短期的にはPVは伸びますが、そのやり方は残念ながら長くは続きません。

しかし、ブログを書くだけであれば初期投資はかなり低く抑えることができます。極端な話無料でブログを始めることができますし、プロに依頼して本格的なものを作っても5,000ドルも掛ければお釣りが来るでしょう。

そして、冒険旅行に関するキューレションを兼ねたブログを投稿しまくります。一日一件の記事更新を半年続ければ記事数は200件近くになります、ブログのアクセスは最初は数件でしょうが工夫と改良を重ねていけばそれなりのPVは稼げるようになるはずです。もし、200件の記事を持ってしてもPVが集まらないようであれば、ご本人に問題があるか、市場ニーズが無いと考えたほうがいいでしょう。どちらの場合も絶対に上手く事業化させることはできません。この段階で充分テストマーケティングの結果が得られますし、当該分野に於けるご自身の知見も相当深まっているに違いありません。そして、何よりもご自身が事業にかける熱意が本物であるかどうかの検証も行えます。

それなりの反響がありPVが集まるようであれば「ここにニーズが有る」ということに確信をもってビジネスモデルを考えシステムの開発に着手できるのです。決定のタイミングは人それぞれだと思いますが、少なくともゼロPVから始めるのと10万PVから始めるのとでは影響力が全然違います。マジで雲泥の違いです。10万PVに対してそれなりのサービスを打ち出せばある程度の反響は期待できるのです。

検索エンジンに対する効果も考えてみてください。コンテンツとなる記事がゼロの場合と200本ある場合、「冒険旅行」というキーワードで上位表示させたいのであれば一番いい方法は「冒険旅行」に関する記事を多く持つことです。いわゆる業者がやるSEO対策とかは殆ど意味がありません。Metaタグがどうとかこうとか時間のムダなので業者の話を聞いてもお金は出さないようにしてください。

さて、最悪ビジネスモデルが外れても、PVさえ稼ぐことが出来れば広告とかアフリエイト収入ぐらいは期待できるのです。例えば新野淳一さんが運営するブログ『Publickey』は、月間40万PV前後ですが広告の出稿が上手く回っており、売上も年間で1,000万円以上あるそうです。これぐらいはブログでも可能だという証拠ですね。何か、特別なビジネスモデルを駆使しているというわけでもなさそうです。

【参考】Publickey
http://www.publickey1.jp/blog/15/publickey2015.html

というわけで、時間が許せはもう少しデータを集めて比較検証してもいいかもしれませんが、私はその必要はほぼ無いと感じています。ブログスタートアップのコストやスピード、そして常に集客に繋がるコンテンツがストック型として残り、永遠(?)に検索エンジン経由のアクセスが期待できることを考えれば、まずはブログスタートアップという選択は大ありだと思います。世の中の変化のスピードが益々早くなり、先行きの見通しが立ちにくくなればなるほど一発勝負のやり方はリスクが高くなります。そして、今ある人気サービスでも始まりはブログのようなシンプルなものだったというケースも案外多いんじゃないかと思います。

最後にどうしてもブログじゃなくてユーザーが投稿するCGM(consumer generated media) じゃないと嫌だというアナタ。特定のエリアに絞った掲示板でもいいんじゃないかと思います。それで、どれぐらいのニーズがあってPVが稼げるかぐらいは把握できますよね。

以上、最後までお読み下さりありがとうございました。

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