このアーカイブは ‘目的・目標・戦略’ のカテゴリーです。

20-80の法則

19世紀のイタリアの経済学者、パレートが唱えたルール。イタリアの国富の80%は、20%の人に集中している現実を、パレートは「80-20ルール」と表現した。このルールがビジネスにも当てはまる。アメリカ・エアラインの売上の80%は20%の多頻度利用者に依存していることが分析され、それがフリークエント・フライヤー・プログラムを生み出した。つまり、20%の忠誠度(ロイヤルティ)の高い顧客が存在し、その顧客だけで全売上高の実に80%になっているという現実が存在する。顧客はすべてが等しいわけではない。データを分析してみると、百貨店は20-80ルール、専門店は20-90ルール、スーパーマーケットは30-70ルールになる。フリークエンシー・マーケティングは、この20-80ルールが原点になっている。

40-40-20の法則

ダイレクトマーケティングの理論的ビジネスリーダーであるエド・バーネットが提唱しているダイレクト・マーケティングで成功するルール。正しい人々にメールすることが成功の40%。提供(オファー)するものやサービスの品質が成功の40%。パッケージの見ばえやデザインが成功の20%とするルール。正しい人々とは購入しそうな顧客プロファイル(性別・年齢などのデモグラフィックやライフスタイル)。提供するもの(オファー)とはマーケットが求めている製品やサービス。パッケージとはダイレクトメールする封書形式のクリエイティブ。消費者が求めている製品・サービスを、それを求めている顧客をデータベースから抽出し、より抽出した顧客が理解できるようなメッセージ方式でコミュニケーションすることが成功の条件とする考え方。

9つのマーケティング戦略

マーケテイングの4Pならぬ9Pです。頭のなかにある漠然とした事業計画を具体的に書き出してみることは必須ですので是非。 Product(プロダクト)どのような製品・商品・サービスを提供するのか? Performance(パフォーマンス)性能・価値政策としてのパフォーマンスは? Position(ポジション)市場でのスタンスをどこに設定するか? Purpose(パーパス)製品・サービスの方向性や目的は? Potential(ポーテンシャル)市場性・市場規模としてのポテンシャルはどの程度か? Price(プライス)いくらで販売するか? Place(プレイス)販売対象地域や販売チャネルは? Promotion(プロモーション)販売促進のプロモーション案は? Profit(プロフィット)利益はどの程度あがるのか?    

4P理論と4C理論

マーケテイング基礎の基礎です。情報が氾濫しているWebでは特にプロモーションをどう仕掛けるかが鍵になります。

ロバート・ローターボ-ン(Robert F.Lauterborn)によって、1993年、顧客の視点による「4C」という分類がなされた。 これは、4Pが売り手側の視点で捉えられているのに対し、買い手側(顧客)の視点で捉え直そうというものである。 4つのCとは、Consumer(消費者のニーズやウォンツ)、もしくはCustomer solutionまたはCustomer Value(顧客ソリューションまたは顧客価値)、Customer cost(顧客コスト)、Convenience(利便性)、Communication(コミュニケーション)である。4Pと4Cはそれぞれ以下のように対応している。…

「全脳思考」についての思考

            神田昌典さんの「全脳思考」をBookOff($14)で手に入れた。アマゾンの評価では意外にも辛辣なコメントが多いのだが、個人的にはそれなりに学ぶべきものが多かったのでまとめてみることにした。 どの部分に共感できたかということを一言で表現すると「従来の経営戦略やそれに伴うマーケティング手法が通用しなくなってきている」ということである、これはある意味誰もが感じていることではないだろうか?問題は「じゃ、何をどうすればいいのか?・・・」という事である。大きな変化の直接的な要因としてはインターネットの普及が第一に考えられ、そのインターネットを味方につけてどう戦うのか、或いは生き残るのかは現代の経営に於いて「必須」のテーマであると言える。そこまでは誰でも解る。「ソーシャルメデイアの活用だ!」そこまではサルでも言えるかもしれない。 本書は2009年出版なので、話の随所に「検索」が出てくる。恐らく、2011出版ならば「ソーシャルメデイア」になっていたかもしれない。   商品流通戦略よりも情報流通戦略がカギになってきている(P125 )   さて、世の中がどう変わったのか?そしてその変化をどうビジネスの中に活用すべきかという点において神田氏が提唱するのが「営業せずとも顧客が集まる、五つの新原則」である。内容はこうだ。   営業せずとも顧客が集まる、五つの新原則 指名検索 知識社会において、購入を判断する真実の瞬間には「検索」がある。 検索を促すネーミング 収益をあげるためには、指名検索されるような事業でなければならない。そのためには記憶に残るネーミングが重要となる。 自己投影型消費を支える物語 ネーミングは、その背景にある物語を「答え」として引き出す「問い」である。 物語にスムーズに入り込める導線 会社や商品が持つ物語は、買い手が自己投影できる内容でなければならない。 サブエピソードを共有する場 企業は、自己投影した顧客がサブエピソードを共有する「場」を用意いなければならない。 指名検索 その「場」に繰り返し触れた新たな買い手は、購入に向けて機が熟したときには、衝動的に指名検索することになる。   従来から用いられているマーケティングの4P/4Cと合わせて考えると面白いものが見えてくるかも知れません。 Product(製品)⇔Consumer(消費者のニーズやウォンツ)あるいはCustomer solution(顧客ソリューション) Price(価格)⇔ Customer cost(顧客コスト) Place (流通)⇔ Convenience(利便性) Promotion(プロモーション) ⇔ Communication(コミュニケーション) 特に、Place(流通)は4Pが考案されたことろは全く状況が違い、それに応じてProduct(製品)も変えていかないといけないかも知れません。そのヒントが「自己投影型消費」と言えると思います。これはピンと来る人は少ないかも知れませんがここが結構深いところだと思います。   さて、この五つの原則が循環していく中で中核にあるものが「真空」であると著者はいいます。「?」ですね~。神田氏ぐらいのレベルであれば、あえて読者が解らないことを言い出すのもいいかもしれませんね。勿論、この真空を別の言葉「ストーリー・ストリーミング・コンセプト(SSC)=物語を溢れさせる中核的なメッセージ」と言っていますが、私はこれを「共感を呼ぶミッションステートメント」と解しました。つまり大義名分のある企業理念ですね。当然、そこにはなぜその理念に至ったのかという質問に答える共感出来る物語がなければなりません。 余談になりますが、真空とは東洋哲学的には「空」や「無」という概念かもしれません。数字で言えば「0ゼロ」これは何も無いということではなく組み合わせるものによって自由無碍に変化できる存在です。   事業に於ける経営理念の重要さは既に語りつくされていると言えるでしょう。しかしながら、この部分が一番難しいいと皆さんおっしゃいます。企業の存在意義をどこに置くべきかは実に深い課題ですね。   本書をもう少し読み込んでから続編を書きます。 (続く)

ECサイトと実店舗の使い分け調査

最近のネットユーザーはECサイトと実店舗をこんな風に使い分けている! /消費行動に関する調査調査結果の要約 ・金融商品は75%、化粧品は40%がインターネット上での購入をメインに ・家電製品、化粧品、金融商品は購入以前の情報収集に意欲的・インターネット上での購入者はクチコミ情報収集を積極的に利用 ・70%以上のユーザーがECサイトの“知名度”を気にしている・ただし、理想的なECサイトは知名度はなくても割安なサイト ・ECサイトにおいて男性は「規模」、女性は「信頼」「評判」を重視する ・男性に比べ女性のほうがクチコミ情報の影響を受けている ・若年層ほどクチコミ情報を意識し、年齢が上がるにつれ影響を受けにくい傾向に http://web-tan.forum.impressrd.jp/e/2009/02/03/4558

80対20の法則とロングテール

オンラインストアの特徴を考えてみよう。ユーザーの視点で見ればオンラインストアはいつでもOPENしている。年中無休が当たり前だ。店舗(運営会社)がどこにあるかはどうでもいいことだ。アメリカの場合州外であれば税金を免れることが多く送料を払ってもお釣りがくる。そしてAmazon.comのような有名店にいくとアイテム数は非常に充実しており、商品価格も安い。 一般に商品販売では「80対20の法則」が成立することが知られ、このためABC分析などを行って売り上げ下位のアイテムを“整理”することが必要だといわれていた。これは売り場面積や在庫スペースなどの物理的制約があって限られたアイテムしか扱うことができず、かつ在庫(店頭在庫含む)には固定費が掛かるために、それを賄うだけの在庫回転率のあるアイテムでなければコスト的に見合わなかったからだ。 しかし、オンラインビジネスでは無限ともいえる売り場スペース(ウェブサイト)を用意することができ、地代の安価な場所に在庫スペースを設置することができるため、従来の物理的制約の多くを乗り越えることができる。特にデジタルコンテンツのダウンロード販売のような在庫固定費をほとんど無視できるビジネスでは、数年に1回しか売れないようなアイテムであっても、データベース上に登録しておくだけでよいなら“整理”する必要はなく、そうしたアイテムを数多く用意することで大きな売り上げを期待することができる。 ロングテールとは、このような従来ならば“死に筋”と呼ばれたニッチ商品(群)のことをいう。これは縦軸に販売数量、横軸にアイテムを販売数量の多い順に並べたグラフを描いた際に、販売数量の少ないアイテムを示す部分が長く伸びるさまをロングテール(長い尻尾)に見立てた呼び名である。 販売数量曲線の“尻尾”部分に現れるニッチ商品がロングテールである。取扱アイテムが多ければ多いほど、尻尾も長くなる。 ロングテールの本質はニッチ商品を販売できるという点にだけあるのではない。通常売れ筋の人気商品は誰もが取り扱う為、価格競争が激しくなる。薄利多売となり、飛ぶように売れても儲けがでない場合もある。逆にロングテール部分のニッチ商品は販売量こそ少ないが、その分競争も少なく厚利小売を実現できる高付加価値商品と位置づけることが出来るわけだ。これがロングテールの本質である。