仕事と4つの幸福

残業と幸福に関する興味深いニュースがでました。

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「今、幸せ」と感じているビジネスマンは職場で必要とされていると感じ、残業も多い…。市場調査会社「ニールセン・カンパニー」(港区)などが行ったビジネスマンを対象としたアンケートでこんな実態が浮かび上がった。

 調査は2月に首都圏や関西圏などの25~49歳の男性ビジネスマン1000人を対象にインターネットで実施。その結果、「職場に必要とされていると思うか」の問いに「はい」と答えた817人のうち76%が「今、幸せ」と回答したのに対し、「必要とされていない」183人のうち「幸せ」と答えたのは48%だった。また、月に70~100時間残業している48人と同30~70時間の295人のうち、「幸せ」と答えたのはいずれも約8割だったが、残業ゼロの177人では半数程度だったという。 

不況のせい?残業多いビジネスマン「今、幸せ」
4月9日20時11分配信 産経新聞
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090409-00000621-san-soci

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タイトルは、”不況のせい?残業多いビジネスマン「今、幸せ」”と不況なのに仕事が沢山あるのは幸せな事ってちょっと皮肉な印象を受けますが、私は違うと思いました。仕事の楽しさが解った人には残業は苦痛じゃないし、仕事に打ち込む事によって充実感を得ているのは間違いありません。私自身仕事が好きで残業は苦になりません。土日も家で働く、家族と外食していても「あ~早く家に戻って仕事の続きをやりたい」と思うほどです。三度の飯より仕事が好きで、体力の続く限りやりたいとPCの前で毎晩2時まであれこれやってますからいわゆるワーカーホリックなのかもしれませんが、自分がストレスで鬱になったり過労死する可能性はゼロだと思っています。勿論、泥沼プロジェクトや問題対応で心底疲れ果てることはあります。それでもですね「やっぱり仕事が楽しい」と思える自分は幸せ者だと思います。決して裕福ではありませんが、働いた分程度は稼いでいるのでお金の苦労もさほどありません。

仕事が楽しくない、時間が来たら即帰宅、残業なんて苦痛以外のものではない・・・・そういう人は実にお気の毒です。達成感や物事にひたすら打ち込む充実感というものをあまり感じた事がないか、報酬について打算的な考えしか持っていないのかもしれません。その結果としてお金がないのかもしれません・・・・。「何の為に働くのか」という問いは非常に大切です。おそらく「それは生活のためです」と応えるでしょう。つまりお金です。勿論お金は大切ですが、目的がお金になってしまうと仕事も人生おかしくなってしまいます。

では仕事の本質とは何でしょうか?北尾氏の著書「何の為に働くのか」は中国の古典をベースにした立派な内容で働く意味を以下のようにまとめています。

「働く事が人間性を深め人格を高くする。 働く事は人間を磨く事、魂を磨く事だ」

これはこれで、文句のつけようがありませんが、並の人間には高尚な響きが強すぎるかもしれませんね。
私にとって「なるほど」と思うのは「日本でいちばん大切にしたい会社」坂本 光司 (著)に出てくる日本理化学工業株式会社の話です。

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知的障がい者雇用のきっかけ

例えば、知的障がい者雇用のきっかけは、知的養護学校の先生が卒業予定者の就職依頼に来られて、私が「そういう人は…」と断ったとき、「尋ねた会社には皆断られました。就職できないこの子らは十五歳で親元を離れ、施設に送られ、働くことを知らずに一生を終えてしまうのです。せめて実習だけでもやらせてくれませんか」との言葉に、つい同情して、可哀そうの思いで受け入れたのでした。
また、それから間もなく、すでに引退されましたカバ園長で有名だった西山さんが、まだ上野動物園に勤めておられた頃、テレビを通してこんなことを云われたのを聞いたのです。「最近の上野動物園の動物は自分の産んだ子も育てようとしなくて困っているのです。やはりお腹を空かした子どもの泣き声に必死になって餌を探し求め、荒野を駆けめぐる生活になっていないと、子どもを育てる本能までもなくなってしまうのです」と。保護だけでは動物も駄目になってしまうことを教えられたのです。
その後さらにまた、心に響いたのは禅のお坊さんの言葉でした。私は重度の知的障がい者は施設で保護されていれば、一生楽に暮らせるのに、仕事でいろいろ注意されても、施設に帰りたがらないのを不思議に思って、「なぜかわからないのですが」と尋ねたとき、お坊さんは、一瞬考えると思っていたところ、即座に「当たり前ですよ」と云われました。「大山さんはほどほどに物やお金があるでしょう。それで幸せと思っていますか。究極の幸せは四つです。一つ目は「人に愛されること」、二つ目は「人に褒められること」、三つ目は「人の役に立つこと」、四つ目は「人に必要とされること」です。愛はともかく、あとの三つは仕事で得られることですよ」と。企業は人間みんなが求める究極の幸せを与える場だったのです。企業の大きな使命を教えてもらいました。

http://www.rikagaku.co.jp/profile/philanthoropy.htm
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五体満足な我々は案外こういうことには気付かなかったりしますよね。健康で働けるだけでも感謝です。そして仕事に打ち込めばお金もキャリアも幸福も顧客満足も社会貢献も後をついてきてくれるものではないでしょうか?

私たちはビジネスをやってそこで損得勘定を繰り返しているわけですが、仕事というものは別軸で捉えた方が得られるものは多いかもしれませんね。

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