二つの物語 ~古都の蓮と銀杏~

先月、日本にビジネス・トリップしてきました。自分へのお土産として拾ってきたのが、写真の蓮の種(後ろの黒いやつ)と銀杏です。勿論、採集場所にはこだわっています。

蓮の種は私の実家(奈良)から歩いて10分のところにある弁天神社、捨篠池(すてしのいけ)のものです。Google Map

この地は役小角(えんのおづの=役行者)の母、刀良売(とらめ)が住んでいたところで、役小角が産湯をつかったところともいわれる場所だそうです。そして、ここで取れる蓮は吉野山金峯山寺の「蓮華会」に献ぜられるという由緒のあるものなのです。こういった話は最近知りました。当地に住んでいた頃は立派な蓮が咲く公園だな程度の認識で・・・。ここの蓮は品性があって本当に綺麗ですよ。蓮といえば薬師寺が有名ですが、ここの蓮の方が大きくて迫力があります。

因みに、仏教伝来は538年ですが、これは「公式」でそれより以前に断片的な形で仏教は「非公式」に伝来していた筈です。役小角が日本古来の古神道・山岳信仰と仏教をブレンドしてそこに道教、陰陽道を利かせたのが修験道なんだろうなというのが私の見解で、勿論諸説あるとは思いますが、全ては推論である点に於いては同じだろうと思います。

弊社の会社名はLOTUS=蓮なんですが、時間軸で考えるとこの辺りの蓮ですね。蓮のアイデンティティーが文化的に確立されていない頃の神秘的なイメージです。鳩摩羅什的「法華経」の成立が朝の8時頃だとすると、5時ごろの薄暗い世界が文化的に混沌としており個人的には面白いと感じます。

銀杏です。日本の秋を感じるいい色ですね。こちらは姫路城で採集してきました。姫路場内にお菊井戸というのがあります。そう、あの有名な怪談「播州皿屋敷」の舞台ですね。この銀杏はそこで拾ってきました。いわば「お菊の銀杏」です。

他の写真は我が家の裏庭にある自作の池です。ここで鯉を20匹ほど飼っており、滝や苔むした岩があって、ミニ日本庭園しているのですが、ここで何年か後に蓮が華を咲かせ、銀杏が色ずく姿を想像しています。わくわくしますね。夏場は炭焼きバーベキューを楽しみます。デッキには自作の風呂桶もあってニューヨークにいながら露天風呂が楽しめるんですよ。

感謝祭も終わりニューヨークはいよいよ冬に突入です。池の鯉達もそろそろ冬眠に入ります。真冬は10センチぐらいの厚さの氷が池に張りますよ。氷と雪が解けて3月頃には冬眠から覚めますが、餌を与えるのは4月に入ってからなので、5ヶ月程は冬眠なんですね。

image_11.2009

http://ja.wikipedia.org/wiki/皿屋敷

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