異なるデータの比較方法

業務の全てが1本のシステムで完結している。これはいわば理想的なITの姿だと思う。 現実的には在庫管理のシステム、顧客管理システム、売り上げ管理システム、会計システム、社内情報共有システムなどいくつものシステムが社内に存在し、経営者やIT担当者を悩ませているのではないだろうか?

中でも会計システムは企業システムの中核にあり、他はアナログでもこればかりはシステム化されている必要がある。 米国では会計士がQuickbooksを使うことが多いので、企業の会計担当者もQuickbooksを使わざるを得ない状況だと思う。

さて、複数のシステムを同時進行的に使うと必ず生じるのが人的入力ミスなどによるデータの不整合という事態である。「数字が合わない・・・」そういった問題解決に多くの時間を費やされた経験は誰にでもあるはずだ。

そこで、今回は複数のデータをソフトを使って比較する方法をご紹介させていただく。以下のスクリーンショットはQuickbooksからExcel にExportしたデータを比較してみた。最終的にどういったデータのフォーマットで比較すべきかは状況によって判断する必要があるが、データのExportフォーマットとしては、CSVやExcelといったものが現時点では標準的なものなので汎用性はあると考えられる。

作業手順

1.QuickbooksからデータをExportする。ここではリポート機能からのExportを紹介させていただくが、詳細はこちらのURLでご覧頂きたい。

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2. Exportしたデータをローカルに保存。わざと数字を操作し2つのExcelファイルを作った。ここでExcelを比較するソフトを立ち上げる。今回使ったのは”Excel Compare”というソフト。以下の画像にあるようにExcelを2つ読み込むようになっている。

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3. こちらが実行結果。数字の違いが異なる色で表示されるので非常に解りやすい。わざと操作した数字もちゃんと探し当てていた。

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4.拡大図。グリーンが1つ目のファイル。ブルーが2つ目のファイル。

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あとがき

2年ほど前のこと、某大手金融機関のシステムコンサルをさせていただいた事があった。米国内に複数のオフィスをもつその銀行は各拠点からあつめた数値の確認作業に毎月一週間という時間を費やしてチェックをされておられた。その時は複数拠点をシームレスに結ぶWebアプリの開発がメインの業務であり、データの比較機能もシステム内に実装するという提案をさせて頂いた。大きな開発であればそういった機能をシステム間に実装することが可能であるが、そこまでする必要が無い場合はこういったソフトの使用をお奨めする。100件程度のデータであればExcelを人間の目で比較することも悪くは無いが、数百件、数千件のデータの比較になった場合大きな作業効率に繋がると思う。

因みにFile Compare機能を提供するソフトは用途に合わせて様々なタイプのものがある。私は他にプログラムのコードやSQLデータを比較するものを業務に使っている。勿論単なるTextの比較も出来るので何度もリバイスを繰り返す契約書などの変更箇所チェックにも使えるはずである。

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