「ありがとう」の五文字に秘められた不思議な力

「致知」「宇宙を貫く『ありがとう』の法則」 潜在能力研究家・小林正観
「致知」2003-1月号 特集◎ 言葉が運命を拓く
いくつもの神秘的な体験を経て、
長年宇宙に潜む法則を研究してきた小林正観氏は「ありがとう」の五文字に、
数ある言葉の中でも最高の波動があることを知る。
ありがとう、ありがとうと繰り返し口にしていると、
健康はおろか運命までも変化されるという法則を発見し実証してきた。
小林氏が説く言葉と人生の法則とは。
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小林正観(こばやし・せいかん)
昭和23年東京都生まれ。中央大学法学部卒業後、旅行作家となり、
現在も活躍。学生時代より人間の潜在能力や超常現象、神秘学などを
研究。穏やかな心(潜在能力を花開かせる心)で対応する経営者の
ネットワーク「うたし会」を主宰。コンセプター(基本概念提供者)
としていくつかの会社に関わっている。著者に『二十二世紀への伝言』
『お金と仕事の宇宙構造』など多数。

 

【「ありがとう」の五文字に秘められた不思議な力】
結論的な話から先にしましょう。現在ある言葉の中で、最高の影響力を持った言葉は「ありがとう」の五文字でしょう。

ここに、どのような時も「ありがとう、ありがとう、ありがとう」と繰り返し、繰り返し唱えている人がいるとします。するとその人は、言葉の波動を受けて体内の水や血液が再生し健康体になります。精神も豊かになり、人間関係も円滑になってきます。そして、「ありがとう」の数がある一定の数を超えた場合、奇跡としか言いようのない現象となって、その人に降り注ぎます。「ありがとう」を宇宙に発し続けていれば、「ありがとう」と言わざるを得ない現象を次々に招き寄せてくれるのです。

しかし、いきなりこういう切り口から話を始めても、否定的に受け取る方もおられるでしょう。世の中には多くの宗教があり、精神世界の不思議を説いているからです。しかし、最初にはっきりさせておきますが、私は宗教者でもなければ、いかなる宗教団体に所属したこともありません。むしろ逆に、若い頃は学生運動に明け暮れていた唯物論者でした。いまも唯物論者です。

30年来超常現象や人間の潜在能力に関心を抱き、その因果関係を研究してきました。私自身、偶然とは考えられない、いくつもの神秘的な出来事にも数多く遭遇し、その結果、宇宙にはある種の方程式があることが分かりました。でも私は唯物論者です。むやみに神仏を信じたり、すがるようなことはしません。一つの現象が仮定された場合、何度も実証を重ねて、客観的事実として確認する、という作業を繰り返して宇宙法則にたどりつきました。

【発する言葉が健康をも左右する】
「ありがとう」という言葉の力を調べるために、次のような実験を行ないました。二つのペットボトルを準備し、一つには「ありがとう」、もう一つには「ばかやろう」と書いて東京都の水道水を入れます。一晩置いた水を凍らせて結晶を撮影すると、「ありがとう」と書いた水道水だけに、宝石のような美しい結晶ができるのです。一方の「ばかやろう」と書かれたほうは、かわいそうなくらい無残に変形します。いろいろな水を使って実験を繰り返しましたが、結果は一緒でした。

人間の体は70㌫が水でできています。だとすれば、「ありがとう」の言葉をたくさん投げかければ、この実験と同じように体内の血液や体液も変わり、健康を維持できるのではないか。私は次にそのように仮定しました。そして実証してきました。「ありがとう」を唱え続けたがん患者からがん細胞が消えたり、医者から失明を宣告された人からいつのまにか目の病が癒えていたり、手術が必要と言われていた子どもさんの心臓の穴が塞(ふさ)がったり、各地で信じられないような奇跡が次々と起きたのです。

ある講演会場での話です。末期がんと診断された人が、会場の前に出て「私は生き延びたいから、ありがとうの声をかけてほしい」と全員に呼びかけました。そこで会場に集まった200人が1分間100回、その人に合計2万回のありがとうを浴びせました。ありがとうを言うみんなの目からは涙が溢(あふ)れ、会場は何とも言えない温かい雰囲気に包まれました。そして3日後の精密検査で、その人の体からがん細胞が消えたという報告が届きました。

【予期せぬ幸せがどんどん舞い降りる】
言葉の使い方によってもたらされる現象を「言霊(ことだま)」という表現で解説することがあります。しかし、私の話は「言霊」という専門的な言葉を使う必要はなく、あくまでもそういうことが起こる、という実証結果です。そのことを改めて確認しておきたいと思います。

ただ、これから先のお話は、唯物論者の割には、いささか怪しげだと受け取られるかもしれません。しかし、これも私が確認した事実としてお話ししなければならない内容です。
30年前から私には毎年3月、6月、9月、12月の8の日に、宇宙法則に関するメッセージが飛び込んでくるようになりました。しかし、それは幻覚でも想像の産物でもありません。一つの概念が、ある種のインスピレーションのように、ボンと頭の中に宿るのです。放っておくと、夢のようにすぐ忘れてしまうので、30秒以内にさっと書きとめておくことにしています。

メッセージの中身はさておき、私は唯物論者ですから、来たメッセージをそのまま鵜呑(うの)みにはしません。鵜呑みにすることは大変危険だからです。他次元のメッセージを受け取る人は世の中には多くいらっしゃるようですが、魔界にいる魑魅魍魎(ちみもうりょう)の声をむやみに信じて傲慢(ごうまん)になり、やがて自滅していくケースも少なくありません。

私は精神世界の人間ではなく、宇宙法則の研究家です。ですから、友人や知人百人にその内容を話して、客観的に考えてもらいます。仮に一人でも「それは間違いだ」と反論する人があれば、お蔵入りにして内容を公表しないのが私の確認方法でした。

1年に4回、30年間で120のメッセージが私に届きました。ボーナスのように届くものがこのほか年1回ほどあるので、これまでに受けた宇宙法則は約150になります。そして、その内容を友人知人に確認するのですが、結果は、150のすべてについて、これまでただの一人の反対者も出ることがありませんでした。
さて、2001年9月8日に届いた情報の中身です。メッセージによると、「ありがとうを数多く唱えると奇跡が起きる」というのです。具体的には「ありがとうを年齢×1万回、35歳の人だったら35万回以上唱えると第一段階の奇跡が起きる。望んでいたことが実現する」という内容でした。

私は5年ほど前から「ありがとうを言っていたら、何かいいことが起こりそうだ」と気づいて仲間に話したのです。少しずつ口にしていた人もいたのですが、2001年になってその数が80万回、100万回に達する人が出てきました。すると、その人たちの間で、絶対に合格不可能な大学に入学できたり、難病が治ったり、といろいろな奇跡が起き始めたのです。

さらに、その次のステップとして年齢×2万回のありがとうで第二段階の奇跡、年齢×3万回で第三段階の奇跡が起きるというメッセージが届いています。第二段階の奇跡とは、ある人がありがとうを唱えることで、その家族や友人が考えてもいなかった現象を手に入れること。第三の奇跡になると、本人も家族も友人も誰も念じたことも考えもしなかった現象が勝手にどんどん降ってくるのだそうです。

2000年、私はアメリカの大学の心理学博士号を取得しました。私は何も知らなかったのですが、私の本の内容が、かなり良いというので私に博士号を贈ると決めていただいたようです。思いもかけぬ事件でした。奇(く)しくも確認証が発行された11月9日は私の20世紀最後、52歳の誕生日でしたので、向こうから「こういう偶然が本当にあるのか」と電話してきたほどでした。

そして、実はこの時、私の「ありがとう」の回数が年齢(52)の3万倍を超え160万回に達していたのです。

メッセージの送り主は、宇宙の方程式を教えても私が簡単に信じないことを分かっていました。ですから、実際の現象を味わわせた上で、方程式が厳(げん)として存在していることを私に知らしめたのかもしれません。

【損得勘定で生きる人は怒らない】
私は宇宙法則の研究家ですが、方程式そのものには関心があっても、「なぜそうなるのか」という部分には興味はありません。法則に則(のっと)ると確かに信じられないようなことが起きます。それがおもしろくて、これまで研究を続けてきました。しかし、それは宗教でいう信じる信じないというレベルの話ではありません。実際にやってみれば誰もが結果を出せます。言葉の力を「言霊」として説明しない理由もそれです。

だから、私の話は人格論や精神論ではありません。私は正しい生き方をしよう、とか、立派な人になりましょう、といった話は好きではないし、他人にそういうことを説くことはしないようにしています。他人がどういう生き方をしようと私には関係ないと考えているからです。
誤解を恐れずに言えば私の価値基準は一つ、損得勘定です。つまり自分にとって得なことはやるけども、損なことはやらないというそれだけです。これは他のどの先生とも違うところかもしれません。

おもしろいことに、損得勘定が完全に頭に入ってしまうと、人間は声を荒げなくなります。イライラしなくなります。声を荒げイライラした結果、人間は自分で毒液を出して、その毒液が五臓六腑をどんどん痛めつけます。誰が一番損をするかというと、その言葉を発した本人ということになります。

こういう実験があります。一升瓶に普通の心理状態で息を吹き込み、そこにハエを1匹入れると40分くらいで窒息死します。ところが、激怒した状態で同じ実験をすると、中のハエは3分ぐらい死んでしまいます。毒死です。人間が怒った時は自分で気づかないだけで、毒気を吐いているのです。

私たちは体調が悪い時、よく愚痴や泣き言を言いがちです。本人は病気ゆえに愚痴をこぼしているように思っているでしょうが、実は不平不満、愚痴、泣き言、悪口、文句(私はこれらを五戒と呼んでいます)という否定的な感情が肉体を蝕(むしば)んでいるらしいのです。

私と親しいある外科医のはなしですが、患者の家庭環境を分析した結果、怒鳴り合っている環境で生活している人と、穏やかな言葉が飛び交う家庭で生活している人とでは、明らかに前者のほうが病気になる確率が高いということが分かったといいます。宇宙の方程式からすれば、さきほどの実験のように、「ばかやろう」「つらい」「悲しい」といったネガティブな言葉が体内の水の細胞を破壊し、それが病気を招く原因となります。言葉の持つ力は大変なものです。

肉体だけではありません。仕事も同じです。例えば民宿の経営でいえば、家族や職員が喧嘩(けんか)していたり、いがみ合ったり、仲が悪かったりすると、外見は立派でも本当にお客さんが来なくなるという現象が実際に起きてしまいます。

では、反対に自分が最も得をする生き方はどういうものでしょうか。考えなくても自(おの)ずと答えが出てくるでしょう。何よりも大事なのは笑って愉快に生活すること。そのために私たちが発すべき言葉はうれしい、楽しい、幸せ、愛している、大好き、ありがとう、ついているの七つ(これを七福神ならぬ「祝福神」と呼んでいます)です。そうすれば健康になるし、幸せになれるし、つまりは自分の人生にとって大変得になるということになります。

【「ありがとう」の言葉を体全体の細胞が記憶】
これらの「祝福神」を、せっかくなら心で思うだけでなく実際に声に出すとよいでしょう。小声でもいいから声帯を震わせることで、その感触を体全体の細胞が記憶するからです。
もうひとつ大切なことがあります。宇宙の方程式から見て、ありがとうを繰り返し言っているといいことが起きる、というお話をしました。しかし、心を込めなさい、とは言っていません。心は込めなくてもいいというのが私の考えです。これも他の先生と大きく違う点です。もちろん、心を込めるにこしたことはありませんが、込めなくても大きな効果が得られるところが「ありがとう」のすごいところです。

例えば、自分に意地悪する姑(しゅうとめ)に心からありがとうをいうことはなかなか困難です。でも、心を込めなくてもいいと教わると、気楽にできるでしょう。姑というより宇宙に対してどんどんありがとうを発信するつもりでやればいい。その結果、なぜか姑との関係は驚くほどよくなっていきます。こういう実話は、数多く報告されてきました。
ありがとうという言葉の振動は水蒸気に伝わります。水蒸気は宇宙に充満していて切れ目がありません。発した情報は水蒸気を通して直接相手の鼻から吸収されます。唯物論的に言えば、そのように説明できるかもしれません。

【自分の発した言葉が自分の人生をつくる】
私はいま潜在能力研究家、心学研究家、心理学博士、作詞家、歌手、デザイナーなど多くの顔を持っていますが、もともとの仕事は旅行作家です。少年時代から旅が好きで、いろんなところに足を運びました。大学時代は学費や生活費を稼ぐために、雑誌に旅の記事を送り付け、それがそのまま卒業後の仕事となったのです。

学生時代から潜在能力の開発や超常現象に興味を持っていたので、人相や手相も多くの本を読んで勉強し、統計上のデータから編み出した小林正観的観相学は「よく当たる」と旅先でもけっこう評判になりました。人生相談も増え、いつのまにか宇宙法則の研究に本腰をいれるようになり、いまでは全国を飛びまわって年間300回ほどの講演をこなしています。

自分でも不思議なのは、これだけハードな仕事をこなしているにもかかわらず、この30年以上、一度も病気をしていないことです。睡眠時間は4時間から4時間半。眠いことはあっても、肉体的、精神的にまったく疲れを知りません。多くの素晴らしい仲間に囲まれ、悩み、苦しみ、悲しみも皆無です。これも「祝福神」のおかげだと思っています。

人間は自分の発した言葉で自分の人生をつくります。私の周囲の環境や、自分が立たされた状況はすべて自分の発した言葉によって形成されていきます。
ですから、朝から晩までうれしい、楽しい、幸せ、愛している、大好き、ありがとう、ついてる、といい続けると、この言葉しか言いたくなくなる人生に囲まれてしまいます。私の周りの多くの人がそうなってしましました。

私には最近、次のようなメッセージが届いています。七つの「祝福神」を年間、5千回唱える人は、その言葉を再び言いたくなるような現象が来年、5千回降ってくる。逆に嫌いだ、嫌いだ、疲れたという否定的な恨み言葉を5千回発すると、その言葉を言いたくなるような現象が、来年5千回降ってくる――と。もちろん、5万回発すれば5万回、10万回発すれば10万回降ってくるという意味です。私は自分や仲間たち身の回りに起こる現象を知れば知るほど、このメッセージが正しいと納得せざるを得ません。

損得勘定で七つの「祝福神」を繰り返し口にしてきました。でもいつのまにか夕焼けを見ては「きれいだなあ、楽しいなあ」と感動し、お茶を一杯飲むのでも「ああ、幸せだ。ありがたい」と心から喜べるようになっていることに気づきました。口先だけだったありがとうを何万回、何十万回と繰り返すうちに、身の回りのありとあらゆることが本当にありあがたいと思えるようになりました。損得勘定でやってきたら、最後には一つひとつのありがとうの言葉に真心がこもるようになりました。そして、いま本当に幸せを実感しています。

宇宙に対してありがとうの言葉を投げかけていると、誰が一番豊かになり得をするのか。それは自分です。このことに改めて思いをめぐらしていただきたい。宇宙の方程式はシンプルですが、やればやるほどその深さに驚くことでしょう。

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