不況の時こそ努力が報われる。_永守重信 日本電産㈱社長

カンブリア宮殿100回記念のゲストは創業35年、精密小型モーターで世界トップシェアを誇る売上高7400億円(2007年)のB2Bビジネスの大企業、日本電産株式会社(京都)の創業社長、永守重信氏。

永守氏は赤字で倒産寸前の企業を次々と買収し、買収先の社員を一人もクビを切らずに黒字へと転換させるその経営手腕から「V字回復の達人」と呼ばれます。
今回のカンブリア宮殿では、そんな永守社長の技術と交渉力でわずか4人の町工場から一代で大企業へと成り上がった波乱の人生とそこから生まれた永守イズム、そして買収先の企業を束ねる正しいM&Aの行い方を取り上げていました。
M&Aを繰り返し、グループ企業数なんと140社を数えるマンモス企業の社長はさすが鋭い眼光と言うことが違います。その仕事に対する厳しい姿勢から、問題発言が とりざたされることもある永守氏ですが、創業以来35年間欠かさず毎朝6時50分出社、1年365日休みは元旦の午前中だけという彼自身の姿を見れば、誰も頭が上がらないのではないでしょうか。

今回はそんな彼の経営哲学のまとめをご紹介します。

【永守流正しいM&Aの行い方】

-決して敵対的買収は行わない。自力では賄えない技術や市場をM&Aで助け合うという考え方が基本。

-長年のラブコールをひたすら送り続ける。例)日本サーボ 16年間の交渉の末、買収成功

-買収当初は社員からの反発も多いが、1年間だけは騙されたつもりでついてきてもらう。決してクビは切らない。

-社員とのコミュニケーションを大切にする。

-「すぐやる、必ずやる、出来るまでやる。」すぐに対応することで信頼を築く。それはお客様に対しても社員に対しても同じ。

【永守流利益の出し方4か条】

  1. 社員のコスト意識をアップせよ
    たとえ1円たりとも経費を使う場合には稟議書を欠かさない。
  2. まじめに働けば報われる
    早朝出社を徹底させ社員全員参加の清掃活動を行う。
    リストラしない代わりに、労働時間を1割以上延長する。それにより時間あたりの単価下がってしまうが雇用・給与は確保する。
    給与体系を明確化することにより、頑張れば評価されるという体制作りで社員のやる気を高める。
  3. チリも積もれば利益となる
    ケチケチ大作戦 (経費削減プロジェクト・部署創設)→買収した日本サーボでは11ヶ月で15億円以上カットに成功。
    経費削減でエコにも貢献。
  4. 全員参加の3Q6S
    6S:整理/整頓/清潔/清掃/作法/しつけ
    これら6Sを徹底することで→3Q:良い会社/良い社員/良い製品が確保できる。

【永守氏名言】

-ホラには根拠がないが夢には根拠がある。まずはホラを吹く。そして夢に変えていく。夢は実現する。夢があれば辛いこともできる。

-貧しい創業は会社を強くする。

-すぐやる、必ずやる、出来るまでやる。

-仕事は好きだから続けられる。

-能力に差はそれほど大差はない、やる気は100倍の差がでる。

-雇用の想像が会社の社会的価値。

-みんながやる気をなくしている時代だからこそ、やる気があれば努力が実る。成功する確立が高くなる。

永守氏が行った経営改善により、買収された日本サーボではなんと2006年5億円の赤字決算が2007年には20億円の黒字に回復を果たしました。
彼の方針には賛否両論ありますが、「社員のやる気を出させるのは経営者の責任だ。人間の能力に大差はない(あって5倍)だけれど、やる気には100倍の差がでる。」といった言葉や、黒字回復をする為に社員に無理を強いるからには、自ら率先してそれに取り組むといった謙虚な姿勢には感銘を受けます。日本一のハードワーカー社長は、日本一の仕事好きでした。

 

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