SFA/CRM 営業支援システム

営業活動や顧客対応をシステム化することは効率化や生き残りを賭ける企業にとっては重要な課題である。もし御社の営業員がExcel等の表計算ソフトを使って顧客管理しているとしたら既に5~10年ぐらいは時代遅れかもしれない。この際重い腰を上げてシステム化に取り組まれては如何だろうか?

では、どこから始まるべきだろうか?これは全ての企業が頭を悩ませる問題であると同時に我々のようなコンサルタントの出番でもあるのでこの場をかりて大まかな流れを把握・検討してみたい。

営業活動や顧客対応のシステムにも様々なものがあるが、おおきな括りでSFA/CRMと呼ばれるシステムや商品群がそれに該当する。

システムには大まかに分けて2つある。1つ目は自社独自開発システム、もう一つはいわゆるパッケージソフトの導入である。10~20年前であればシステムは自社開発が主流だった。弊社でもJETRO等の政府機関向けにニーズにピッタリと合わせた独自システムを開発したものだが、世界に1つしかないシステムを開発するにはそれなりの時間とコストがかかるものだ。それなりの事業規模と数年に渡る活用を経てはじめてペイすると思えばいいだろう。最大のメリットはその事業にピッタリとあったものが出来上がると言う点である。ライセンスの問題もないので場合によっては他社に売る事さえ出来る。

自社でシステム開発しそれを同業他社に販売して開発費をカバーするどころか利益を得るやり方は、筆者の体感では2000年頃に盛り上がっていたと思う。一石二鳥の賢いやり方と言えるかもしれない。背景要因としては、あらゆる業界でシステム化が進んだ事と、市場には気の利いたソフトが少なく、仮にあったとしても高価でったたため自社開発との境が微妙であった、オンラインでのサービスが浸透しシステムがよりフロントエンド化していった為、本来外部の人間の目には触れないはずの業務システムが目立つようになった為であると筆者は分析している。現に弊社で扱う開発案件も世界初の会計システムや、世界初の人事管理システムが多かった。今で言うSaaS-Software as a service-の黎明期もこの頃だと思う。 開発に携わる人間にとっては非常に充実した期間であったと思う。今までにない何かを作ることに携わるのはラッキーなことである。特に私のように設計部分(上流工程)に携わる人間は大量に出てくる資料や指示、アイデアを論理的に再構築しなければならない。預かった資料をドサッと机に広げ、じ~と睨めっこしながら額に汗を流す経験はこの頃に随分体験させて頂いた。

話が横道に逸れたが、そもそも独自開発の弱点を補うべく現れたのがパッケージソフトである。パッケージソフトにも大きく分けて2つある。1つはMicrosoft, SAP, ORACLE等の有料ソフト。もう一つはオープンソースの無料ソフトである。オープンソースの中にも有料のものがありコマーシャルオープンソースと呼ばれる。インターネットの発展に伴いSaaS形式のサービスも発展してきており世の中にはあらゆるタイプのソフトウェアーがあらゆる方法で提供されていると言っていいだろう。まさに玉石混合。そのなかから自社のニーズにあった商品を選択するのは容易な事ではない。

特に多岐にわたる機能を備えたCRM製品では、その製品評価は大変難しいものとなっている。又、どの商品も汎用性に留意して開発されており似たような機能を備えている。例えばスケジュール管理機能(カレンダー)はどの商品にもついていると思うが、カレンダーはどのベンダーが作ってもカレンダーでありそこには大差がない。

いずれにせよすべてをベンダ任せにせずに、「自社に最適なCRM製品とは何か」を「機能」ごとに評価し、必要な機能の実現に向けては「どの製品を導入すればよいか」をきちんと評価/判断することが重要である。自社にとっての最適なCRM構築に向けて、さまざまな角度からCRM製品を眺めてみてほしい。

■失敗しないCRM導入

先ずは予算を決めよう。いくら素晴らしい商品があっても手が出ないような価格であれば検討には値しない。仮に10ユーザー程度の規模であれば初期投資に$12,000㌦。専用サーバを立てた上での年間の運用コストが$6,000㌦程度で充分であり、それ以上投資してもROIは得られないと考えられる。実際にCRMを使うユーザー数が10名以下で、5年換算の総経費が$42,000以上であれば使いすぎと言う判断をしてもいいかもしれない。現在のように厳しい経済環境の中では、5名の営業を抱える会社であれば、5年間で$30,000㌦程度の出費に抑えることが出来れば上出来だと思う。つまり、1人当たり毎月$100㌦の経費をかけてCRMを実現させるわけだ。

次に、「自社のCRMに必要な機能は何か」を優先順位付きでリストアップしてみよう。10~20項目で充分だと思う。それを縦列に配置し、横列には商品を並べる。そうして5段階又は10段階評価を行なえば、どの商品が自社のニーズに適ってるか明確になってくるだろう。この作業を複数でやれば尚客観的な評価を得られるはずだ。CRMには様々な機能があるが大体こんな感じが大枠としてあげられると思う。

  • Sales Force Automation
  • Marketing Automation
  • Telesales
  • Call Center
  • Lead Management
  • Help Desk
  • Email Marketing
  • CRM Analytics
  • Customer Service & Support
  • Partner Relationship Management
  • Knowledge Management

これらはいわゆる機能的な部分で、コストOK、機能OKでも導入に踏み切ってはならない。検討課題は下のチャートにあるようにまだまだあるのだ。

crm

ソフト選びはまさしく「一蓮托生」といった感じだろうか・・・・。

ITの専門家でも正直迷うのがこの部分だ。そこで無責任なIT担当者やコンサルはなるべく皆が使っているような、信頼性の高そうな商品に落としたがる。というより何かあったときに言い逃れがしやすいような背景を作っておくのだ。例えばORACLE、SAP、Microsoftのようなブランド品だが、足元を見られているのでライセンス費用も高い。必ず数千ドル~数万ドルする。そして何年か使ったあとに問題が出てくる。それがVendor lock-inといわれるものだ。ではVendor lock-inとは一体何で、どのような問題が発生するのだろうか・・・・・

~いいところで次回に続く~

次回はCRM選択の迷いから抜け出た私の選択をご紹介す事にする。

【参考資料】

http://en.wikipedia.org/wiki/Vendor_lock-in

The Top 10 Open-Source CRM Solutions
http://en.wikipedia.org/wiki/Vendor_lock-in

富士通  http://www.ssl.fujitsu.com/products/crm/sugarcrm/

http://www.insidecrm.com/features/top-open-source-solutions-121307/

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