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最も重要な企業目標は何か?

流動的でカオスとさえ形容できる競争環境のもとで、企業はどう勝ち残り、またいかに社会的な存在価値を発揮し成長することができるのか。 20年以上前、経営学の権威ピーター・F・ドラッカーは「企業の目的は顧客満足の創造である」と宣言した。その後1982年に発表されたビジネス書の名作「エクセレントカンパニー」以来、企業はこぞって文字通り顧客満足を追及するようになった。多くの企業は単に売上高を追求するのではなく、顧客満足に焦点を当てるという新たな市場原理の導入と実践に進んでいったのである。 しかし、企業目標としての顧客満足でさえ、はもはや活力を失ってきたように見える。今や企業は、顧客満足の追及が正しい方向への1ステップではあるが、競争の激化した市場に於ける確かな解決策ではないということに気付き始めている。又、従業員レベルでは顧客満足はもはや当然のこととして聞き飽きたお題目になっていないであろうか? 顧客満足は「結果」であって、事業活動そのものではないからである。何がその満足をもたらしているのかを突きとめない限り、あなたは顧客に対しなにもできないのである。この顧客満足をもたらしている主要因が「顧客価値」である。顧客からの不断の愛顧を得るための特効薬は、顧客満足よりもむしろ顧客価値にある。 顧客は製品やサービスに何を求めているのか? 顧客はどのように企業に対応してもらいたいと思っているのか? 手に入れるものの代償として、いくらなら支払ってもいいと思っているのか? 顧客が市場に存在する唯一の理由は、彼らが何らかの価値を求めているからにほかならない。顧客が求めている価値を提供し、その価値を競争相手よりも多くもたらすビジネスが、顧客からの愛顧を獲得するのである。そのことを踏まえたうえで、企業は顧客にどのような価値をもたらすべきか?何のために企業は自らのコア・コンピタンスを活用すべきか?を考えるべきだと思う。 例えとしては良くないかもしれないが、自然界の共生関係となんら変わりはないと考えられる。 サービス業の場合、顧客価値や顧客満足は「人的資源」つまり従業員からもたらされる要素が大きい。企業は結果として得られるであろう顧客満足を追求するまえに、顧客価値の追求をしなければならないし、それらを生み出す従業員に価値を提供する事なしに成功する事は出来ない。幸せな従業員はよろこんで価値創造に参加してくれる。満足度の高い従業員を作る事がマネージメントの責務だと考えていい。企業の中で人財を育てる仕組みづくりは今後益々重要になってくるのは当然の事だ。